「しやすい」の作りかた を読んだ。
(ワールドトリガー29巻のネタバレ含みます)
「しやすい」の作りかた、だいたい問題・課題はサイズが大きすぎて何をすればよいかわからない、またはポイントを外したところの検討をしてしまうから、考えやすいサイズにまで分解することで「しやすい」状態になるよ、という話と理解しました。
目的と分け方があっているか、提供する側の都合と自分の目的とのギャップという視点。
他には、誰かに頼みごとをするときに抑えておくべき5つのポイントなんかも、チェックリスト的に使うと便利そうなものがあったので、考えの整理の手段を増やしたい人にオススメ。
で、その本の中で分け方の3原理を説明しているところがあった
- 必要原理
- 平等原理
- 公平原理
「限られた資源」を分ける3つの分配法として紹介されていて、以下のように説明されている。
- 「必要原理」は必要としている人に多くの資源を分配する方法
- 「平等原理」は必要性や貢献度にかかわらず、資源を均等に分配する方法
- 「公平原理」はその人の「貢献度」に応じて資源を分配する方法
これ何か見覚えあるな...と思っていたら、先日も書いたワールドトリガー29巻の隊長評価の話やん!となった。
以下、ワールドトリガー29巻の隊長評価の話
実際どうやって分配したのか、この原理別で分けてみた。
必要原理で分配した隊
- 諏訪7番隊
- 香取分だけ個別分配(香取も必要原理よりの公平原理)
- 二宮8番隊
- 歌川1番隊
- 村上10番隊
平等原理で分配した隊
- 古寺6番隊
- 水上9番隊(水上隊長は0点)
公平原理で分配した隊
- 北添4番隊
- 王子2番隊
- 柿崎3番隊
- 若村11番隊
- 来馬5番隊
最初読んだ時に気にならなかったけど、ピックアップすると気になったところ
- 平等原理の隊が少なかった。もっとあった印象だった。(公平原理の最後の分配で平等原理になっているところはある)
- 必要原理、諏訪隊のインパクトが強かったので諏訪隊だけだと思っていたけど、よくよくみてみるとマイルドな必要原理の隊が結構多かった
- 公平原理の中でも言及された以外の人への分配のしかたが面白い
- 隊長が一番低い点数ではない隊が、来馬隊・若村隊
- 結果として隊長が0点なのは王子隊・水上隊だけ
隊長を0点にした王子・水上は、隊長であることの責任を強く感じている隊の印象。
他の隊と何が違うのかというと、隊長である自分の点数についてチーム内で議論に上がらないようにしていること。この辺は話の持っていき方がめちゃくちゃに隊長(王子は「減点」としか言ってない)。
特に自分の主張が弱いと思われる来馬・若村が、自分自身が最低点数でない状態になっているのも面白い。
来馬隊長は、個々人が自分で選んだという納得感を優先している、めっちゃ来馬隊長っぽい判断。(しかしそれは「隊長評価」なのか?みたいな疑問はありそうだけど、それも来馬さんだよね、となってしまう圧倒的な特徴としての人の良さ)
麓郎(若村)は、それっぽい感じのムーブをしているものの、なんとなく迷いが残っている感じがとても麓郎。(マリオ0・半崎50・麓郎50)
結局のところ諏訪さん最高
みんな言っていることだけど、結果的に諏訪さんのリーダーシップの取り方はとても気持ち良い。
隠岐・宇井という気が使えるタイプには事前に共有しておいて納得感を作っておく。
そのうえで、全振り方針を伝える。
納得できないという香取に対しても(おそらく想定していたので)自分の納得いく方法を提示。
大方針の自分のやろうとしていることを明確に伝えたうえで、多少の調整の余地は残したうえでほぼ自分の方針通りに落とし込む。
香取の行動は折込済で、他の人に言われたからマイルドにするのではなく、自分の考えに落ち着くように持っていく、という手腕はすばらしい。
そこの調整の部分をぶっとばして、強引にやったのが水上隊長だったという感じ。
自分だったら?
「評価」という文脈なので、あまり深く考えずに公平原理で考えてしまうだろうなと感じた。
今回の場合、他に評価軸があるうえでの「隊長評価」であることも含めて、この評価で何を実現したいのかを明確にしたうえで配分方法を選ぶという判断があるということが学べたように思う。
この評価が何に影響するのか、そもそもこの枠組みがなんのためのものなのかという目的をブレないようにすること。
結局のところ、「タスク」として捉えるのではなく全体像を意識することで納得感のある決定ができる。
全体像を掴んだとして、そこだけで考えるのは難しいので、適切な課題にブレイクダウンしていって、判断・評価「しやすい」状態を作るのが大切なんだろうなと思った。
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「しやすい」の作りかた
ワールドトリガー29巻